さて、感情は認めた方が良い、と私は書いていますが、
それでは、感情を認めるということは、一体どういうことでしょう?
それは、自分は「こんな感情をもっている」と自覚することです。
悲しい時には、「ああ私は今、悲しいんだな」と
嬉しい時には、「ああ私は今、嬉しいんだな」と、自覚することです。
頭のなかでそういうふうに声をかけてもいいかもしれません。
ただ、それだけです。
しかし嬉しい、楽しいといったプラスな感情だと、簡単に出来るのですが
これが悲しい、苦しい・・といったマイナスな感情だと、素直にそれができないことがあります。
例えば、悲しい時に親御さんや友達から「その程度のことでメソメソするな」と言われたり、
自分自身に落ち度があることだったり、
自分よりももっと不幸そうな人のことを思ったりすると、
「この程度で悲しんじゃダメだ」「私に悲しむ権利なんてない」と考えてしまうのです。
もちろん例えば、自分に落ち度があるのにそれを他人のせいにしたり、
他人に対して「私の方が悲しい!」と口に出して比較してしまったりするのは、良くありませんが
自分の心の内で感じるだけなら、どんな感情を抱こうが自由です。
「感情」の段階でなら、どんな感情を持ってもいい、ということを、知っておいてください。
ただ、ここで、ひとつ大切なことがあります。
「怒り」や「妬み」などの、他人に対して攻撃的になってしまう感情は、どう処理すればいいのでしょう?
「私はあの人が腹立たしい」
「私なあの人が妬ましい」と認めてしまうと、なんだか他人に対して、攻撃的な感情をぶつけてしまいそうになりますよね。
こうしたマイナスの感情を、他人にぶつけずに消化する方法については、「負の感情の扱い方」という項目で説明します。
さて、今回は「感情を認める」ということについて説明しましたが・・
この「感情を認める」という仕組みを、他人に利用されると、怖い結果につながってしまうこともあるのです。
次回の[理論]では、それについて説明します。