感情の考察、日常の幸福

読んだからとて奇跡は起きないけれど、自分の心に素直になれたり、日常の細やかな幸せに気がつくことができたりするような、そんなブログを目指しています。

[理論]負の感情の扱い方《イライラ・モヤモヤ編》

今回お話しするのは、「イライラやモヤモヤ」についてです。

 

今まで「怒り」や「悲しみ」については書いてきましたが、「怒りや悲しみ」と呼べるほどではないけれど、なーんだかイライラモヤモヤしてしまう時ってありますよね。

 

そんな時にオススメの対処法や考え方をお伝えします。

 

 

まず、考えて欲しいのが、あなたの抱えているイライラやモヤモヤが、『慢性的に感じているものか・それとも特定の何かに対してか』、です。

 

 

そして、もし慢性的にイライラやモヤモヤを感じているのであれば、真っ先に考えてみて欲しいのは

「栄養状態、睡眠、運動」です。

 

 

特に栄養というのは、家庭科で習ったので知ってはいるものの、実践する時に意識することは少ない方もいるかもしれません。

 

 

私が栄養に気をつけるようになったきっかけは、母の友人の、とある翻訳家の方の言葉でした。

その方は日本でも有名な、とある児童文学の翻訳もされた方なのですが、私が成人してから会った時に、こう言っていたのです。

「社会人になったら、まずは栄養学の本を買いなさい。栄養は、あなたの体の基となるから。」

 

 

文学の世界で活躍されている方に薦められた本が、「栄養学」の本だったことがとても意外だったことを覚えています。

 

あなたが読みやすいと感じるもので、奇をてらったものではないのなら、どんなものでもかまいません。まずは栄養学の本を買ってみてください。

 

もしあなたがまだ若くて、学生時代の教科書を持っているなら、家庭科の教科書でも良いと思います(むしろそのほうが、かえってわかりやすいかもしれません)

 

そして、自分の食事の栄養に偏りがないかを、見直してみてください。

 

こんなこと言いつつ私も、栄養についてはざっくりとした感覚でしか捉えていないのですが

毎食必ず「米かパン・肉か魚・野菜」を入れることだけは、気をつけています。

 

もし、あなたがなんだか元気が出なかったり、なんだかイライラしているのなら、

今日食べたものに何か偏りがないかを考えてみてください。

 

また、人によってどの栄養がどのくらい必要かも違うものです。

ですから、どんな食べ物を摂ると調子が良くなるか、どんな食べ物を摂らないと調子が悪くなるかを、少し気にかけてみて欲しいのです。

 

私の場合は、おそらく生まれつき筋肉量が多いようで、動物性タンパク質を摂らないと数時間後には絶対に力が入らなくなってしまいます。ですから、毎食必ず、動物性タンパク質を取るようにしています。

 

イタリアンのお店なんかでは、パスタとサラダのみのパスタランチメニューがよくありますよね、私の場合はお昼をそれにすると、夕方には家事が手につかないほど全身に力が入らなくなってしまうのです。ですから、必ず肉や魚のおかずの入ったメニューを選ぶようにしています。

これが普通かと思っていたのですが、母も友人も「そんなことない」と言っていたので、これは私の体質なようです。

 

また、私の場合は生野菜を2日以上摂らないと必ず風邪をひきます。

生食用のサラダ用の野菜が高騰している時に、温野菜やフルーツで済まそうとしたこともあったのですが、そうすると必ず風邪をひきました。

ですから、一日に二食以上は必ずサラダを食べるようにしています。

 

もちろんこれも、「私の場合は」、なので人によって違うと思います。

動物性タンパク質を摂るとしんどくなる方は、豆腐などの植物性タンパク質をとる方がいいでしょうし、生野菜よりも温野菜の方が体質に合う方もいると思います。

 

 

こうして栄養に気をつけて食事をしていくうちに、段々とあなたに変化が訪れます。

それは、ただ漠然と「お腹が減ってる」たしか感じていなかったことが、だんだんと「タンパク質が欲しい」「糖分が足りない」というふうに、何がどのくらい足りないかを認識できるようになるのです。

この感覚が非常に重要なのです。

 

 

実は、心の状態もこれと同じです。

イライラやモヤモヤも、ただ人にぶつけたり、自分で抱えて苦しくなるのではなくて、

「何が足りないのか」を振り返って考えるようになると、原因がハッキリと見えてくるようになります。

原因がわかると、対策も取れるようになりますよね。

だから、自分に何が不足しているかを考えてみることは、とても大切なのです。

 

 

そして、睡眠や運動も、人によって必要な量は違うので、何時間寝ると気持ちがいいかや、どのくらい運動すると気持ちがいいかを、色々と試してみるといいと思います。

 

 

また、この話を読んだからと言って、健康的な生活をしなくてはいけない!と、義務のように思うことはありません。

時には「今日の食事は栄養が偏っていた」とか、「寝過ぎて一日を無駄にした」とか、「運動を一時間するつもりが10分しかできなかった」となってしまう日があるかと思います。

しかし、落ち込むことはありません。

 

そんな時は、「この栄養が足りないとどんなふうになるのか」や「○時間以上寝るとどうなるか」や「運動量が減るとどうなるか」の実験結果が得られると考えてみてください♪

そして、「この栄養が足りないと肌が荒れるな」とか、「○時間以上寝るとかえってしんどいな」という結果になったなら、

きっとあなたは栄養の良い食事や質の良い睡眠を、義務だからではなく「この方が気持ち良いから」というポジティブな理由でできるようになります。

あるいは、「10分の運動の方がかえって気楽にできて良いな」と思ったなら、自分にとって適度な目標が立てやすくなります。

 

ですから、是非一度、あなたにとって適度な栄養や睡眠や運動はなにかを、実験しつつ調べてみてください♪

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

そして、あなたのイライラやモヤモヤが、慢性的なものではない場合。

例えば誰かの特定の発言にイライラやモヤモヤを感じた場合です。

 

それが、あなたの価値を否定する言葉「〇〇なんてありえない!」だとか「〇〇とか馬鹿みたい!」だった場合はもちろん、相手に問題があるので、スルーするか距離を置くか反論するかしたらいいのですが、

 

相手の発言が、自分の価値を否定する言葉が入っていないのに、イライラやモヤモヤした場合。

そんな時は、「自分は何故イライラ・モヤモヤしたのか」を考えてみてください。

特に、過去に同じような出来事で傷ついた記憶はないかを考えてみてください。

 

実は、イライラやモヤモヤには、過去の隠れた悲しみが存在するケースが多いのです。

ですから、気がついた時は、「消化しきれなかった悲しみを消化するチャンス」なのです。

 

 

 

たとえば、わかりやすい例として、とある二人の女性のケースを見てみましょう。

 

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A子さんは、友人のB子さんの「私はピンクが好き」という発言を聞いて、モヤモヤしてしまいました。

 

 

A子さんは、何故モヤモヤしたのかを考えてみました。

その言葉が、自分にとってどう聞こえたかを、考えてみたのです。

 

すると、「私はピンクが好き、という言葉を聞いて、『女の子はピンクを好きであるべき』と言われているような気がした」ということがわかりました。

 

しかし、B子さんの発言をよく見てください。

B子さんは、自分の感覚について述べただけで、「女の子はピンクが好きであるべき!」とは一言も言ってませんね。

 

では何故、A子さんはその発言に「女の子はピンクが好きであるべき」と言われた気がしたのでしょう。

 

実は、A子さんは昔から青色が好きでした。

でも、親御さんは「青だと男の子っぽく見えるでしょ」「ピンクの方が可愛いわよ」「女の子はピンクが好きなものよ」と言い、A子さんの好きな青色のお洋服は買ってもらえませんでした。

A子さんは、青色が好きな自分のことを、親御さんに否定されたことが、悲しくて仕方がありませんでした。

 

つまりA子さんが感じたモヤモヤの正体は、小さい時の自分の好みを否定された悲しみに起因していたのです。

A子さんは、「私はピンクが好き」というB子さんの発言を聞いて、過去の親御さんの言葉を思い出してしまったので、苦しくなっていたのでした。

 

 

もし、A子さんがここで、B子さんに

「ハァ!?ピンクが好きとかダサい!」と否定してしまっては、いけませんよね。

そんなことをしては、A子さんの親御さんと同じように、B子さんの好みを否定することになってしまいます。

それに、モヤモヤの要因である「過去に自分の好みを否定された悲しみ」は消化していないので、たとえばまた誰か他の人が「ピンクが好き」と言っていたら、同じようにモヤモヤしてしまうことになります。

 

A子さんが、モヤモヤを消化するために必要なのは、

「小さい時、青色が好きなことを否定されて悲しかったな」と認めることと、

自分の好みを自分で否定しないことです。

「青色も綺麗で良いよね」「青色が好きな自分も、素敵だよね」と認めることです。

 

そうすれば、また誰かの「ピンクが好き」という発言を聞いたとしても、きっと

「ああ、この人はピンクが好きなんだな」と、フラットに受け止めることができるでしょう。

そうすればA子さんは、真の意味での多様性を認めることができるのです。

 

 

 

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さて、今度は別の、C子さんの場合を見てみましょう。

C子さんも、A子さんと同じように、B子さんの

「私はピンクが好き」という発言にモヤモヤしたとします。

 

C子さんは自分が何故、モヤモヤしたかを考えてみることにしました。

するとそこには、「ピンクが好きだなんて、よく安直に言えるものね」という気持ちがあることに気がつきました。

なぜ、「安直に」という言葉が出たのかを、C子さんは考えてみました。

すると、過去のとある出来事を思い出したのです。

 

実は、C子さんはピンクや女の子らしいもの、フリフリしたものが大好きでした。

しかし、C子さんは三人兄弟の末っ子で、上は二人のお兄さん。

小さい頃は、お兄さんのお下がりばかり着させられていました。

「ピンクのお洋服が欲しい」と言っても、

親御さんは「あんたには似合わないよ」「お金がもったいないでしょ」と笑って、真面目に取り合ってくれませんでした。

 

そのうち、C子さんは、「私はボーイッシュなものが似合うんだ」と自分に言い聞かせることで、ピンクが好きという気持ちを封印するようになりました。

 

そう、C子さんがB子さんの発言にモヤモヤしたのは、B子さんが自分と違って素直に、「ピンクが好き」と発言したことに対してです。

 

自分はピンクが好きな気持ちを押し殺して生きてきたのに、B子さんは素直に「ピンクが好き」と言えることに対して、理不尽さを感じてしまったのです。

 

 

もし、C子さんがモヤモヤしたからと言って、「ピンクが好きとかあり得ない!」とB子さんに言っては、やっぱりいけませんよね。

B子さんを傷つけてしまいますし、C子さんの「ピンクが好き」という気持ちの封印は解かれないままなので、別の人が「ピンクが好き」と言うのを聞いたら、またモヤモヤしてしまいます。

 

C子さんに必要なのは、

「過去にピンクの服を買ってもらえなくて、悲しかった」という過去の悲しみを認めることと、

「ピンクが好き」という自分の好みを、否定しないことです。

 

そうすれば、C子さんは、今まで憧れていたけど手を出せなかったピンクの服や小物を買えるようになるでしょう。

すると今まで気がつかなかったような、C子さんの魅力が出てくるかもしれません。

そして、誰かが「ピンクが好き」と言ったとしても、

「私も好きなんだ」と、同意して盛り上がるかもしれません。

 

 

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上の例の、A子さんとC子さんは、どちらも「ピンクが好き」という発言にモヤモヤしましたが、

その理由は正反対のものでした。

 

このように、とある発言でモヤモヤした人がいたとしても、その原因は人によりそれぞれです。

 

これは、その人本人にしか、わからないことなのです。

 

ですから、もしあなたが誰かの発言にイライラ、モヤモヤしたときは、

「自分にはその発言がどのように聞こえたのか」

「何故、イライラ・モヤモヤしたのか」を考えてみてください。

 

そうすると、押し殺していた過去の悲しみが、消化できるかもしれません。

 

 

そうすれば、同じ発言を聞いてもイライラ・モヤモヤしなくなりますし、自分の本当に好きなものや、やりたいことが見えてくる可能性もあります♪

 

 

この話が何か参考になれば幸いです。